野口五郎岳登山(2004.8.4〜8.6)

 高瀬川上流の湯俣から野口五郎岳に登ってきた。
 北アルプスを源流にする川は,有名な黒部川,立山から急勾配で富山平野にでる常願寺川,岐阜県側の高原川,そして松本平で合流する梓川とこの高瀬川だろうか。大町から七倉に入り,タクシーで高瀬ダムの上まで行ってダム湖沿いに林道を歩く。大天井岳が見えているのか?空と山と湖の色合いが昔の銭湯の富士山絵のようである。
 15年前に来たときは,七倉からダムまで歩きだった。ダムを登る道がロックフィルダムの斜面にジグザグについており,これが長くてきつく,電力関係の車しか入れないのに不満を覚えたものだ。この林道も未だに一般車通行禁止である。
 地形的に,断層に沿うので湖岸は直線で,道も湯俣までまっすぐだ。マウンテンバイクで行きたくなる。
 
 湯俣にある晴嵐荘(山小屋)。
 一日目はここまでで,ダムから3時間ほど。
 2年ぶりの登山なので,ウォーミングアップとして適当かとおもう。
 以前は,河原に天然の露天温泉があったが,それとおぼしき水たまりは,水藻が茂っていた。小屋で聞くと,最近はお湯が出なくなったそうである。少し上流に行くと自家製露天風呂が楽しめるそうだ。
 この時点で,泊まり客は私一人。静かな場所で,テント場も広い。山に登らず,自然に浸るキャンプを楽しむにはもってこいの場所である。
 暇なので,近くの天然記念物,噴湯丘を見に行ってみる。温泉の噴き出し口で含有塩分が固結してできるのであろう。ヒンドゥー教のリンガか仏教のストゥーパみたいな形である。
 この沢沿いに進めば,以前は三俣蓮華に通じていたが,道が荒れて通れなくなっている。ここでも噴湯丘まで近づくには渡渉しなくてはならない。
 小屋の内風呂
 乳白色の湯で秘湯っぽい。山小屋で温泉とは贅沢だ。
 2日目,いよいよ登りにかかる。
 
 コースタイムでも野口五郎まで約8時間である。
 朝5時30分に小屋を出て,湯俣岳に9時,南真砂岳に11時30分についた。そこから,野口五郎の小屋にたどり着いたのは,なんと午後3時少し前である。バテた。
 途中から,高曇りだが景色が見られるようになる。
 写真は,槍ヶ岳だが,穂先が雲にかかっている。
 南真砂岳への登り。稜線歩きが待ち遠しいが,きつい。
 野口五郎へ最後の登りの前の鞍部から,水晶岳(左)と遠く薬師岳(右奥)を望む。
 疲れ切って,ここでしばらくゴロゴロしていたら,後から10名くらいのパーティーに追い越された。小屋で一緒になったが,「百名山をめざす会」という近ツリ(近畿日本ツーリスト)主催のツアーの人たちであった。話を聞くと,もう70(百名山中)登ったとか,皆中高年であるが,そういう時代なのかと思う。
 このあたりの百名山は,薬師岳,黒部五郎,鷲羽,水晶のようだが,アルプスの稜線歩きをすれば,三俣蓮華とか今回の野口五郎だって立派ないい山である。百名山にこだわる必要なんか感じないのであるが‥‥。
 3日目は烏帽子小屋を経て高瀬ダムへ下る。
 烏帽子小屋の手前で,ダムが見えた。
 2泊3日の短い周遊コースであったが,久々に3000m級の山歩きができて嬉しかった。
 いつでも,楽に登れるだけの体力を維持できるようにコンスタントに山には出かけたいのだが,これがなかなか難しいのである。

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