奥の細道 最上川

五月雨をあつめて涼し?最上川
 銀山温泉から尾花沢の芭蕉資料館を見学したあと,新庄にでて,定期観光バス(芭蕉号)を利用して最上川の船下りを体験した。バスに乗ったのは我々を含むたった5人で,後のラウンジ席にどてっと座り出発。古口船番所というところから,お弁当を受け取ってマイカー利用の客といっしょになり観光船にゆられ草薙という船着き場まで1時間ほど川下りである。とにかく,37℃という猛暑で,暑かった。芭蕉のもとの句(早しとなったのは推敲後)は皮肉である。
 私としては「最上川涼をもとめてかき氷」 途中で川岸に着けた売店でおもわず氷を求めた。
 「あつめて早し」という奥の細道では急流と言うことになるのだが,ところどころにちょっとした瀬があるものの波しぶきがかかるとか下ることにスリルがあるほどではない。船頭さんの解説で最上川は日本三大急流の一つと聞いてもぴんと来なかった。この観光も芭蕉の奥の細道にあやかって行われている感じだ。かつては紅花や米などの水運で栄えた歴史があり,昔は川が重要な交通路だったことには納得がいった。


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尾花沢

養泉寺の「涼しさをわが宿にしてねまるなり」の句碑

 尾花沢の芭蕉・清風資料館は江戸時代の町家を復元した建物で,雰囲気も展示品も充実しているように思われた。ここから芭蕉は山寺に出かけ,もどってきて大石田でも逗留する。尾花沢とは目と鼻の先(車で5分くらい)なのだが,また別の人脈があるのかというのがよく分からない。
 ただ,紅花栽培といい,このあたり,最上川の水運によって栄え,中央からの文化も伝えられていたことが感じられた。芭蕉が滞在したという養泉寺の句碑も大切にされていた。山形から庄内平野にかけてまた訪れてみたいと思った。