43‐01‐0431
A 43001
二世 梅 花 坊
俳諧元祖 芭 蕉 翁
三世 廬 元 坊
陰 牛呵る聲に鴫なく夕へかな 梅花坊
古池やかはつ飛こむ水の音 芭蕉翁
住み飽た世とは嘘たり月と花 廬元坊
寶暦歳次屠維單閼首夏日
斜日堂連中謹建立
@ 宝暦九年(一七五九) 廬元坊十三回忌
A 斜日堂連中建立
C 熊本市細工町四丁目 曹洞宗興福山宗禪寺
D 廬元坊=前出P.0203
F 43002
古 池 や 蛙 飛 ひ こ む 水 の 音
陰 天保十年〓次己亥
自桃園意翠建栴
@ 天保十年(一八三九)
A 自桃園意翠建立
C 熊本市野田町五〇八 曹洞宗大梁山大慈寺
F 43003
笠 塚 吉 野 に て 櫻 見 せ う そ 檜 笠
陰 高祖從嗅皮一百五十回依之
掬古池之流輩謹建之者也
于時天保十四癸卯十月十二日
@ 天保十四年(一八四三)十月十二日百五十回忌
A 秋山喃々建立
C 熊本市出水町一丁目 曹洞宗医王山国分寺
F 43004
道 の へ の 木 槿 は 馬 に 喰 は れ け り 芭蕉
陰 豫西遊欲爲芭蕉翁建碑與同志者
遂建于肥之後州熊府之西往生院
内題以翁木槿之詠藏以餘及同志
者詠懷千首併埋之以招魂之辭云
于時安永十年辛丑春二月東郷獅子眠鷄口
@ 安永十年(一七八二)二月
A 獅子眠鷄口建立
C 熊本市池田町一丁目 浄土宗無量寿山泰安寺往生院
43‐02‐0432
D 鷄口=谷口氏 号獅子眠 樓川の後を継ぎ 木犀庵二世と号した 享和二年
(一八〇二)七月十一日没八十五歳
F 43005
初 時 雨 猿 も 小 蓑 を 欲 け 也 芭蕉
@ 文化十一年(一八一四)夏
A 恕風建立
C 熊本市松尾町上松尾 威徳山臨済禪寺址
C 43006
芭 蕉 靈 神
先頼しゐの木もありなつ木立
敕住花園現見性蘇山玄喬書
B 蘇山玄喬筆
C 熊本市花園町四丁目 日蓮宗発星山本妙寺
F 43007
う き 我 を 淋 し か ら せ よ 閑 古 鳥 はせを
左 明治二十年三月秋入庵〓中
@ 明治二十年(一八八七)三月
A 積翠 丹田建立
C 熊本市清水町高平 曹洞宗本覚山浄国寺
F 43008
け ふ は か り 人 も と し よ れ は つ し く れ
C 熊本市川尻町新町 日蓮宗発迹山本立寺
C 43009
芭 蕉 翁
いなつまにさとらぬ人の尊さよ
左 餘門人弓削清壺嘗有建蕉翁之碑之志而未果寛政壬子
孟秋八月物故爾後文化四年秋七月某長子一信繼父之志
與餘謀而建焉故餘記某梗〓泌識碑陰云西天菴文曉識
陰 文化四年丁卯八月
弓削清三 一信建之
右 辭世
日々にちかよる蓮の香ひかな 嵐柳軒清壺
心はその手向にありて
繼とめて近き櫻のもみちかな
@ 文化四年(一八〇七)八月
A 弓削一信建立
C 八代市妙見町二四四五 日蓮宗宗覚寺
D 文曉=藁井氏 肥後八代真宗仏光寺派正教寺第十世 了幻院法侶上人 号紫
海・渡白人・乞隱・西天庵 文化十三年(一八一六)三月三日没八十二歳
43‐03‐0433
A 43010
芭 蕉 翁
陰 元祿甲戌年十月十二日
享保七壬寅年建立
@ 享保七年(一七二二)
A 里苑 一笑 谷水建立
C 八代市奈良木町 薬師堂(大通庵)
C 43011
芭 蕉 翁
今日はかり人も年寄れ初しくれ
左 文茄坊拜書
@ 嘉永元年(一八四八)十月
A 一圓窓龍如坊建立
B 文茄坊筆
C 玉名市高瀬横町 真言宗明教寺
D はじめ真言宗不二山平等院宝成就寺に建立 明治七年廃寺となり移す
B 43012
芭 蕉 翁
陰 あか〓〓と日は難面も秋の風
左 大野連築之
A 大野連中建立
C 玉名市中 日蓮宗妙性寺
C 43013
芭 蕉 翁
ひと聲と江に横たふや時鳥
陰 嘉永五壬子初夏建立自松仙
@ 嘉永五年(一八五二)四月
A 自松仙建立
C 玉名市小浜 小浜菅原神社
F 43014
う た か ふ な 潮 の 華 も う ら の 春 芭蕉翁
陰 文政九丙戌年三月十二日葦明建之
筑紫行の杖を翠江亭にとゝめし折叟査坊書之
@ 文政九年(一八二六)三月十二日
A 葦明建立
B 叟査坊筆
C 玉名市大浜町上野 臨済宗観喜寺跡
43‐04‐0434
F 43015
父 母 の し き り に こ ひ し 雉 子 の こ ゑ はせを
C 本渡市本町本 鈴木神社
F 43016
春 も や ゝ け し き と ゝ の ふ 月 と 梅 芭蕉
台石 天保十一庚子仲夏造立
@ 天保十一年(一八四〇)五月
A 琴雨 素雄建立
C 山鹿市山鹿小路町温泉通り 浄土宗長源寺
C 43017
己のが火を木々の螢や花の宿
芭 蕉 翁
陰 施主温泉郷 風斜九拜
累〓餘蕉翁の滑稽を仰ぎ靈碑建立の志有しに今年明和三丙戌仲夏にいたりて當山に安
置し奉ること誠に風雅の冥處あふけなく猶其〓光をかゝげたてまつる物なりけらし
@ 明和三年(一七六六)五月
A 湯町の山下風斜建立
C 山鹿市杉 曹洞宗医福山円通院日輪寺
A 43018
☆誤伝
す ゝ き 塚
左 大乗妙典書寫一部塔願主斜龍
右 寶暦九年卯五月 日東籬
@ 宝暦九年(一七五九)五月
A 東籬建立
C 菊池市隈府高野瀬 曹洞宗藏六庵跡
D 左側面にあるように写経のあと用具類を洗い清めて埋納したもので 芭蕉の
発句には関係ないらしい 「すゝき塚」ではなく「すゝぎ塚」かも
A 43019
芭 蕉 翁
A 寛涼舎東巴建立
C 菊池市西迫間 光久庵(光九寺跡)
C 43020
☆句は存疑
芭 蕉 翁
里の名を聞たき夜の山みち
左 千里よりその鶯の渡り屋すし 一竿人
陰 支考
右 廬元坊
43‐05‐0435
@ 安永八年(一七七九)十月
A 廬元坊建立
C 宇土市本町六丁目 浄土宗円応寺
D 火災により剥脱ひどく「芭」の一字を残すのみ 廬元坊=前出P.0203
A 43021
芭 蕉 塚
台石 安永九庚子十月十二日
@ 安永九年(一七八〇)十月十二日
C 飽託郡天明町中無田 妙法寺(安養院址)
F 43022
☆消滅
よ く 見 れ は な す な 花 さ く 垣 根 か な
C 下益城郡城南町下宮地 曹洞宗鳳翔山能仁寺跡
F 43023
☆消滅
古 池 や 蛙 飛 こ む 水 の 音
C 下益城郡城南町下宮地 曹洞宗鳳翔山能仁寺跡
F 43024
よ く 見 れ は な す な 花 さ く 垣 根 か な
台石 明治十六年六月誹連中再建
@ 明治十六年(一八八三)六月
A 誹連中再建
C 下益城郡城南町下宮地 曹洞宗鳳翔山能仁寺跡
F 43025
古 池 や 蛙 飛 こ む 水 の 音
台石 明治十六年六月誹連中再建
@ 明治十六年(一八八三)六月
A 誹連中再建
C 下益城郡城南町下宮地 曹洞宗鳳翔山能仁寺跡
C 43026
芭 蕉 神
雲折〓〓人を休る月見哉
野霞
陰 嘉永六年丑八月吉日
@ 嘉永六年(一八五三)八月
A 虹二 花鏡建立
43‐06‐0436
B 野霞筆
C 玉名郡南関町関東城平 大津山阿蘇神社
I 43027
韮 の ま か き に 鳶 を な か め て
鳶 の ゐ る 花 の 賤 家 と よ め り け り はせを翁
陰 寛政五癸丑初冬建之 輕舟 禿芝
@ 寛政五年(一七九三)十月
A 輕舟 禿芝建立
C 菊池郡大津町室 曹洞宗円通庵
D 「韮」は誤り 正しくは「蒜」=のびる 天和二年(一六八二)二月上旬付
木因宛芭蕉書簡にあるもの 「鳶」の文字が(同字の禁)を犯している事に
ついて 木因の力量を試したもの 木因は和歌の詞書だとし 「春 俳諧歌
/蒜のまがきに鳶をながめ侍りて/鳶の居花の賤屋の朝もよひ/まきたつ山
の煙見ゆらん」と答えた 芭蕉と木因が滑稽を楽しむだもの
F 43028
酒 の め は い と と 寢 ら れ ぬ 夜 の 雪 はせを
@ 天保年間=天保十四年(一八四三)
C 阿蘇郡阿蘇町黒川坊中 天台宗雲生山西厳殿寺根本中堂
D 阿蘇中岳の噴火口の西方に本堂をもち 山麓の黒川の坊中に根本中堂をもつ
C 43029
梅か香にのつと日の出る山路かな
芭 蕉 翁 之 塚
C 上益城郡御船町古閑原 守護神社
F 43030
春 も や ゝ け し き 調 ふ 月 と 梅 芭蕉翁
C 上益城郡御船町辺田見 曹洞宗黄梅山東禪寺
B 43031
翁 墳
左 名月や池をめくりて夜終
陰 曲崎陽月〓〓中敬立
右 判読不可能
A 曲崎陽月〓〓中建立
C 天草郡苓北町富岡 富岡城跡袋池神社