群 馬 県

 
 
F 10001
朝 か ほ に わ れ は 飯 く ふ 男 か な
 
          @ 昭和十八年(一九四三)
          A 樫村氏建立
          C 前橋市文京町三丁目                     自治会館
          D はじめ芳町某寺に建立しょうとしたが 戦時中の面倒があり 自庭に建立
 
F 10002
☆紛失
橿 の 木 の 花 に か ま は ぬ 姿 か な
 
          @ 文化年間=文化十四年(一八一七)
          A 藍沢乙麿(無満の前号)建立
          B 藍沢乙麿筆
          C 前橋市上小出町                 臨済宗建長寺派香集寺
 
F 10003
し は ら く は 華 の う へ な る 月 夜 か な
 
          @ 嘉永二年(一八四九)
          A 藍沢無満建立
          C 前橋市上小出町                 臨済宗建長寺派香集寺
          D 上小出町藍沢無満屋敷跡より移す
 
F 10004
け ふ は か り 人 も 年 よ れ 初 時 雨
 
          @ 江戸末期=慶応三年(一八六七)
          A 分尾建立
          C 前橋市総社町                     総社小学校校庭
          D 光巌寺境内古墳上にあったもの 終戦後破損 かけらを集めて移建
 
F 10005
菜 畑 に 花 見 顏 な る 雀 か な
 
          @ 昭和三年(一九二八)三月
          A 枯野俳壇建立
          C 前橋市総社町植野                      稲荷神社
 
F 10006
☆洪水のため流失
川 上 と こ の 川 下 や 月 の 友
 
          C 前橋市岩神町二丁目                利根川畔大渡番所跡
                               10‐02‐0087
F 10007
雲 雀 な く 中 の 拍 子 や 雉 子 の 聲  はせを
 
          @ 文久三年(一八六三)
          C 前橋市若宮町一‐一四                  県民会館東側
          D 前橋作間の孔雀堂にあったものが四十年前に亀井家のものとなる
 
F 10008
古 池 や 蛙 飛 込 む 水 の 音  翁
 
          @ 明治二十四年(一八九一)
          A 桑古建立
          B 桑古筆
          C 前橋市日輪寺町                       菅原神社
 
F 10009
風 流 の は し め や 奧 の 田 植 う た
 
          @ 文政十二年(一八二九)推定
          A 花鳥建立
          B 藍沢乙麿筆
          C 前橋市幸塚町一七九                  奈良きくゑ氏宅
 
F 10010
麥 め し に や つ る ゝ 戀 や 里 の 猫  はせを翁
 
          @ 安永年間=安永九年(一七八〇)
          A 村井三日月素輪建立
          C 前橋市三河町一丁目                浄土宗孤雲山正幸寺
 
F 10011
(篆額)正風宗師之碑
觀 音 の 甍 み や り つ 花 の 雲  芭蕉
  陰     文章(略)
        維時天保十三年龍集壬寅三月/立品多々良大内瀾長
 
          @ 天保十三年(一八四二)三月百五十回忌
          A 西馬建立
          C 高崎市石原町二四〇一        真言宗豊山派華蔵山清水寺仁王門下
          D 西馬=前出P.0020
 
F 10012
草 い ろ ・ ・ 各 々 花 の 手 か ら か な
 
          @ 明治二十七年(一八九四)
          A 鈴木仙橘建立
          B 中教正三森幹雄筆
          C 高崎市石原町二四〇一      真言宗豊山派華蔵山清水寺南方松林の中
                               10‐03‐0088
          D 幹雄=通称三森菊治また寛 号春秋庵 磐城に生まれ 東京住 西馬門 明
            治四十三年(一九一〇)十月十七日没八十二歳
 
F 10013
し は ら く は 花 の 上 な る 月 夜 か な
 
          @ 明治十五年(一八八二)十月十二日
          A 神官奥野邦衡建立
          C 高崎市石原町西半田                     小祝神社
 
F 10014
初 時 雨 猿 も 小 蓑 を ほ し け な り
 
          @ 天保年間=天保十四年(一八四三)
          A 茂原示州再興
          B 小蓑庵碓嶺筆
          C 高崎市石原町鶴辺団地               新潟相互銀行社宅内
          D もと通町の修験道庚申寺にあったもの 碓嶺=仁井田氏 号昨日庵 上野国
            坂本の人 長翠門 小蓑庵二世を継ぐ 弘化四年(一八四七)四月二十三日
            没六十七歳
 
F 10015
木 の も と は 汁 も な ま す も さ く ら か な  翁
  陰     文政甲申年三月建
 
          @ 文政七年(一八二四)三月
          C 高崎市下滝町               真言宗華敷山補陀落院慈眼寺
 
F 10016
凉 し さ や す く に 野 松 の 枝 の 形  はせを翁
    享和二壬戌八月社中
 
          @ 享和二年(一八〇二)
          A 岡田八郎らの建立
          C 高崎市日高町字行人            薬師堂轟家墓地(変電所裏)
 
F 10017
這 出 よ か ひ 屋 か 下 の 蟇 の 聲
 
          @ 江戸末期=慶応三年(一八六七)
          C 高崎市寺尾町館                       公民館前
 
F 10018
松 杉 を 譽 て や 風 の 薫 る 音  はせを
  左     鳩ほとと人は言ふなり閑古鳥 柳居
 
          @ 明和年間=明和八年(一七七一)
          A 佐久間柳居建立
          C 高崎市下佐野町                       定家神社
          D 柳居=佐久間氏 三郎右衛門長利 初号專鯉 のち蓼雨・長水・麥阿等と号
            し 元文末年頃柳居に改めた 庵号松籟庵・春日庵・一円窓等 幕府直参の
            武士 初め四谷のち本所石原に住んだ 初め沾徳門 享保末年に至って乙由
            に師事 延享五年(一七四八)五月三十日没五十四歳 墓所浅草東国寺 門
            下から鳥酔・秋瓜・門瑟らが輩出 『芭蕉七部集』の選定者
 
F 10019
初 し く れ 猿 も 小 蓑 を ほ し け 也
 
          C 高崎市嘉多町三番地                  岩田喜四郎氏宅
 
C 10020
花   之   本   明   神
物いへは唇寒し秋の風 はせを
    花本宗匠鳳朗書
 
          @ 天保十四年(一八四三)百五十回忌
          A 神官矢口一三建立
          B 田川鳳朗筆
          C 高崎市八幡町                         八幡宮
          D 天保十四年百五十回忌に芭蕉の明神号を二条家に請うて許された鳳朗は矢口
            一三に命じこの碑を建立させた 鳳朗=名は東源また義長 号鶯笠・芭蕉樓
            熊本生まれ 熊本では綺石に学び 寛政九年(一七九七)江戸に出て 道彦
            につく 弘化二年(一八四五)十一月二十八日江戸没八十四歳 梅室・蒼糺
            と共に天保の宗匠と称された
 
F 10021
叡 慮 に て 賑 は ふ 民 や 庭 竈
 
          @ 明治二十六年(一八九三)
          A 暮田平八郎水陰舎柳園建立
          B 岸豊湖筆
          C 桐生市錦町二‐四                     丹羽米穀店
          D はじめ新宿三ツ塚に建立 後現在地に移す
 
F 10022
☆誤伝
秋 風 や 筧 の 來 た り こ な ん だ り
 
          @ 大正三年(一九一四)十月十二日
          A 周東錦溪 宮本花月らの建立
          B 耕月亭照云筆
          C 桐生市錦町二‐九四〇               周東高三郎氏宅門前
 
F 10023
☆消滅
梅 か 香 に の つ と 日 の 出 る 山 路 哉
                               10‐05‐0090
          C 桐生市川内町五丁目                   曹洞宗高源寺
 
F 10024
春 の 夜 は さ く ら に 明 て し ま ひ け り
 
          C 桐生市川内町二丁目            臨済宗建長寺派万松山崇禅寺
 
F 10025
☆存疑
す し 塀 に 明 ほ の 高 し 桐 の 花  はせを
    天明二壬寅秋今日庵連中
 
          @ 天明二年(一七八二)秋
          A 今日庵連中が真蹟を埋めて建立
          C 桐生市宮本町二丁目                     美和神社
          D はじめ八坂神社に建立 後移す すし塀=筋塀
 
C 10026
芭   蕉   翁
もゝ年の景色を庭の落葉哉
  陰     元祿七年戌・至寛政五癸丑十月十二日百年忌辰建立
 
          @ 寛政五年(一七九三)十月十二日百回忌
          C 桐生市梅田町二丁目                    浅部観音堂
 
F 10027
山 路 來 て 何 や ら ゆ か し 菫 草
 
          @ 元治元年(一八六四)
          A 葛峰庵竹磨建立
          C 桐生市新宿二丁目                     八幡宮築地
 
F 10028
こ の 松 の 實 生 せ し 代 や 神 の 秋  はせを
                    紅碩建
 
          @ 江戸末期=慶応三年(一八六七)
          A 小此木紅碩の選句建立
          C 伊勢崎市末広町                       諏訪神社
 
F 10029
藥 園 の い つ れ の 花 に 草 枕
  陰     小此木紅碩の句あり(略)
 
          @ 江戸末期=慶応三年(一八六七)
          A 小此木紅碩建立
          C 伊勢崎市末広町                    小此木紅碩墓地
          D 紅碩没後現在地へ
                               10‐06‐0091
F 10030
凉 し さ や す く に 野 松 の 枝 の 形
 
          @ 文政八年(一八二五)
          A 向松庵剣二再建
          C 伊勢崎市馬見塚町三橋九一五       松本一太郎氏宅(群馬銀行前)
 
F 10031
し く る ゝ や 田 の あ ら 株 の く ろ む ほ と
  陰     我影のわれさへ淋し鴨の聲 山家
 
          @ 弘化四年(一八四七)
          A 長谷川某らの建立
          C 伊勢崎市日乃出町                    浄土宗雲晴院
 
F 10032
と ん み り と あ ふ ち や 雨 の 花 曇
 
          @ 文化年間=文化十四年(一八一七)
          A 矢島樗旧建立
          C 伊勢崎市本間町                    矢島家墓地入口
 
F 10033
這 出 よ か ひ 屋 か 下 の 蟇 の 聲  はせを
  陰     寛政五年春松谷等建似鳩書
 
          @ 寛政五年(一七九三)春百回忌
          A 長沼の松谷建立
          B 栗庵老師似鳩筆
          C 伊勢崎市長沼町                  小茂田家墓地向い側
 
F 10034
松 杉 を ほ め て や 風 の か を る 音  はせを翁
 
          A 岨雲建立
          B 江戸董堂筆
          C 伊勢崎市連取町                  菅原神社連取のマツ
 
F 10035
よ く 見 れ は 薺 花 さ く 垣 根 哉
 
          @ 明治九年(一八七六)春
          A 楊州庵半海社中建立
          B 楊州庵半海筆
          C 伊勢崎市本町                       伊勢崎神社
 
 
 
F 10036
☆消滅
發 句 あ り 芭 蕉 桃  宿 の 春
 
          C 伊勢崎市栄町                      平田吾郎氏宅
 
F 10037
山 寺 の さ ひ し さ つ け よ 野 老 ほ り
 
          @ 文政十年(一八二七)三月
          A 悟十斎一知建立
          C 太田市丸山               真言宗清光寺(米山薬師)参道
 
F 10038
梅 か 香 に の つ と 日 の 出 る 山 路 哉
 
          @ 明治二十年(一八八七)三月
          B 双岳筆
          C 沼田市石墨町         石墨の一本松(近年松食虫により倒れた)
 
F 10039
☆消滅 明治初年建立者自ら破棄
草 い ろ ・ ・ 各 々 花 の 手 柄 か な
 
          @ 安政元年(一八五四)推定
          A 別当篠生院子峯建立
          B 別当篠生院子峯筆
          C 沼田市屋形原町字篠尾                     篠尾社
 
F 10040
八 九 間 空 に あ め ふ る 柳 か な  翁
 
          C 沼田市屋形原町                     根岸幹延氏宅
 
F 10041
父 母 の し き り に 戀 し 雉 子 の 聲
 
          C 沼田市上発知迦葉山                      亀石坂
 
F 10042
☆消滅
凉 し さ や 直 く に 野 松 の 枝 の 形
 
          C 沼田市上沼須町                        神明社
 
F 10043
凉 し さ や 直 く に 野 松 の 枝 の 形
 
           @ 天保十三年(一八四二)再建
          C 沼田市上沼須町                        神明社
 
F 10044
☆行方不明 ☆石燈籠
草 臥 て 宿 か る 頃 や 藤 の 花  芭蕉
 
          @ 文政四年(一八二一)三月
          A 大芝建立
          C 沼田市沼須町                          路上
          D 後に白沢村に移り 更に東京へ転売され行方不明
 
B 10045
芭   蕉   翁
  左     こからしに岩吹きとかる杉間かな
  陰     岩坂やみそれに辷る杖の旅 書郊
  右     文化八年十月十二日筑之
 
          @ 文化八年(一八一一)十月十二日
          A 乙人建立
          B 松桂庵書郊筆
          C 沼田市上久屋町            曹洞宗修法山顕徳院孝養寺庫裏前
 
F 10046
し は ら く は 花 の 上 な る 月 夜 哉
 
          @ 明治五年(一八七二)
          A 中島休太夫建立
          C 沼田市白岩町                   JR上越線線路沿い
 
F 10047
松 杉 を 譽 め て や 風 の か を る 音
  右     すゝしさや秋は魚鳴く此あたり 雪才
 
          @ 寛政九年(一七九七)
          A 松茂庵中島布什建立 江戸宗匠白眼台雪才後見
          C 沼田市白岩町                    観音堂中島家墓地
 
F 10048
☆未建立
凉 し さ や 直 く に 野 松 の 枝 の 形  はせを
 
          @ 未建立 碑材現存
          C 沼田市秋塚町                     宮田椿岱旧宅跡
 
B 10049
芭   蕉   翁
  台石    春の夜は華王に明けてしまひけり
  陰     文化元年甲子長月仲天総連建之
                              
          @ 文化元年(一八〇四)九月
          A 仲天総連建立
          B 無耳庵筆
          C 沼田市戸鹿野町栄町                    十二楼神社
 
F 10050
八 九 間 空 で 雨 ふ る 柳 か な
 
          @ 明治二十六年(一八九三)二百回忌
          A 宮田椿岱建立
          C 沼田市原新町                    真宗大谷派平等寺
 
F 10051
む さ ん や な 兜 の 下 の き り き り す
  右     咲き殘る花に枯野の哀かな 其風
 
          @ 文政六年(一八二三)
          A 籾山能平建立
          C 沼田市町田町           天台宗寺門派幕岩山観音寺境内武具塚
          D 籾山其風が建碑を企てて文政五年没 嗣子能平が翌年建立
 
F 10052
☆消滅
目 に か ゝ る 雲 や し は し の 渡 り 鳥
 
          A 沼田家中鼎下 壺国建立
          C 沼田市坊新田                         愛宕社
 
F 10053
此 あ た り 眼 に 見 ゆ る も の 皆 凉 し
 
          A 楓裘建立
          C 沼田市土田町                          路上
 
F 10054
し は ら く は 花 の 色 な る 月 夜 か な  はせを
 
          @ 明治十八年(一八八五)三月
          A 荒井閑窓らの建立
          B 四世夜雪庵近藤金羅筆
          C 館林市つつじ町               県立つつじが岡公園西寄り
 
C 10055
芭   蕉   翁
ひら・・とあくる扇や雲の峰
 
          @ 安政五年(一八五八)六月
          A 鯉川らの建立
          B 八十五歳翁序佛筆
          C 館林市六郷小桑原                     富士嶽神社
 
F 10056
郭 公 聲 横 た ふ や 水 の う へ  はせを翁
 
          @ 文化年間=文化十四年(一八一七)
          A 温故堂類我 松下亭凉山建立
          C 館林市当郷                    曹洞宗巨法山善長寺
 
F 10057
草 の 葉 を 落 る よ り 飛 螢 哉  はせを
 
          @ 寛政年間=寛政十二年(一八〇〇)
          A 金井岱路建立
          B 金井岱路筆
          C 渋川市石原町                         石原寺
 
F 10058
こ の あ た り 目 に み ゆ る も の 皆 凉 し
 
          @ 弘化二年(一八四五)
          B 藍沢無満筆
          C 渋川市金井南牧                     田中ヨネ氏宅
 
F 10059
☆消滅
こ の 松 の 實 生 え せ し 代 や 神 の 秋
 
          C 渋川市川島                       甲波宿祢神社
          D 甲波宿祢神社はもと吾妻川沿いにあったが 天明三年の浅間山の噴火で現在
            地に移転 句碑は明治初年まであったという
 
F 10060
☆消滅
八 九 間 空 て 雨 ふ る 柳 か な
 
          @ 文化十四年(一八一七)
          A 渋川の俳人らの建立
          C 渋川市元町                     伊香保道入口路上
          D 戦争中正蓮寺に運ばれ碑面を削り 墓石にされた
 
F 10061
八 九 間 空 で 雨 ふ る 柳 か な
  碑面下部  其の石は存して其句亡ぶといふ理あらんや/昔此の石を建てしより百三十年此の句成
        し/より二百六十年にして今さら芭蕉翁を/しのび古の面影を復せんとする渋川町民
        /に代りて/昭和二十六年柳青むころ 井泉水記
 
          @ 昭和二十六年(一九五一)再建
                               10‐11‐0096
          B 荻原井泉水筆
          C 渋川市元町                     伊香保道入口路上
 
F 10062
起 よ ・ ・ 我 友 に せ ん ぬ る 胡 蝶
 
          A 高松館些知建立
          C 藤岡市神田                        高田勝氏宅
          D 高松館些知=高田家数代前の高田彦左衛門
 
F 10063
面 白 し 雪 に や な ら ん 冬 の 雨  芭蕉翁
  陰     あらたまる山のながめや松の雪 淡水
 
          @ 昭和十一年(一九三六)六月
          A 横田竹松淡水建立
          C 藤岡市神田                        高田勝氏宅
 
F 10064
春 な れ や 名 も な き 山 の 朝 霞
 
          C 藤岡市美九里                         稲荷社
 
F 10065
川 上 と 此 か は し も や 月 の 友
 
          @ 昭和二十七年(一九五二)四月三十日
          A 日野村文化協会建立
          B 松田毛鶴筆
          C 藤岡市下日野字駒留                地守神社向かいの丘
          D 講話記念塔代用
 
F 10066
し は ら く は 花 の う へ な る 月 夜 哉  芭蕉翁
 
          @ 明治三年(一八七〇)
          B 武州児玉の俳人八十歳翁青荷筆
          C 藤岡市上日野鹿島             臨済宗妙心寺派實大山養浩院
 
F 10067
此 あ た り 目 に 見 ゆ る も の 皆 凉 し
 
          C 藤岡市上日野鹿島             臨済宗妙心寺派實大山養浩院
 
F 10068
古 池 や 蛙 飛 込 む 水 の 音  はせを
 
          C 藤岡市上日野細谷戸                 松田光一郎氏地所
                              
F 10069
草 臥 て 宿 か る 頃 や 藤 の 花
 
          @ 明治二十年(一八八七)
          A 椚山の名主麗々庵嘉正建立
          B 嘉正養子真十郎筆
          C 藤岡市高山字椚山                   黒沢一郎氏宅前
 
F 10070
春 な れ や 名 も な き 山 の 朝 霞
 
          @ 明治二年(一八六九)
          A 椚山の名主麗々庵嘉正建立
          C 藤岡市高山字椚山                    椚山稲荷神社
 
F 10071
こ の あ た り 目 に 見 ゆ る も の 皆 凉 し
 
          C 藤岡市高山字椚山                        路上
 
F 10072
し つ か さ や 岩 に し み 入 る 蝉 の 聲
 
          C 藤岡市緑埜                    美国神社(古墳上)
 
F 10073
春 も や ゝ け し き と ゝ の ふ 月 と 梅
 
          @ 明治二十七年(一八九四)三月
          B 七十四歳翁成瀬蓮堂筆
          C 藤岡市上戸塚                戸塚神社(二子塚古墳上)
 
F 10074
む す ふ よ り は や 齒 に ひ ゝ く 清 水 哉  はせを翁
 
          @ 明治二年(一八六九)
          A 耕圃らの建立
          C 藤岡市中栗須                  神明宮手洗池のほとり
 
F 10075
し は ら く は 花 の 上 な る 月 夜 か な
 
          C 藤岡市岡之郷                         観音寺
 
F 10076
觀 音 の い ら か 見 や り つ 花 の 雲
 
          A 浅水 北亀らの建立
          B 渋水筆
                               10‐13‐0098
          C 富岡市藤木                        馬頭観音堂
 
C 10077
芭   蕉   翁
花の陰うたひに似たる旅寢哉
  陰     寛延四・次辛未秋七月當國門謹建之
 
          @ 寛延四年(一七五一)七月
          A 真蹟を埋め義仲寺無名庵五世雲裡坊杉夫後見
          C 富岡市一の宮二四五   太子堂塚(下り松)古墳(前方後円墳)後円墳上
          D 記念句集『旅寢塚』刊行 この「旅寝塚」の隣に雲裡坊の句碑がある 碑面
            に「初雪や世に散物の絶て後」 碑陰に享保三年(一七一八)下仁田生まれ
            で俳句のほか儒学・漢詩・書道をよくし 特に多胡碑を世に出した人として
            著名な高橋道斎の撰文がある 芭蕉塚建立に力を尽くした雲裡坊を顕彰した
            もの 雲裡坊杉夫=前出、宮城J04006参照 この「旅寝塚」は寛延四年板の『諸国翁墳
            記』に登録された
 
F 10078
花 に 遊 ふ 虻 な く ら ひ そ 友 雀
 
          C 富岡市鳥総中沢                     鳥総神社裏山
 
F 10079
結 ふ よ り 早 齒 に ひ ゝ く 泉 か な
 
          C 富岡市小野                         神明神社
 
F 10080
離 羅 難 煤@耶 茂 廼 爾 毛 通 箇 壽 那 宮 飛 婆 離
 
          @ 文政九年(一八二六)
          A 松舎葛人等水魚連建立
          C 安中市東上秋間                      厄除観世音
          D 読み=はらなかにものにもつかすなくひはり
 
F 10081
☆消滅
山 路 來 て 何 や ら ゆ か し す み れ 草
 
          C 安中市上間仁田字鰻橋                     古墳上
          D 明治初年まで古墳上にあったが 橋の工事に使われたらしい
 
F 10082
此 あ た り 目 に 見 ゆ る も の 皆 凉 し
 
          C 安中市簗瀬                         稲荷神社
 
F 10083
馬 を さ へ 詠 む る 雪 の あ し た か な  芭蕉翁
 
          @ 天保五年(一八三四)
          B 石倉鳳朗筆
          C 安中市板鼻町                        鷹巣神社
 
F 10084
い さ 行 む 雪 見 に こ ろ ふ 處 ま て
 
          @ 昭和二十五年(一九五〇)十二月
          A 都丸蔵三建立
          C 勢多郡北橘村小室清水田                  都丸家墓地
 
C 10085
芭   蕉   翁
枯枝に烏のとまりけり秋の暮
         無滿書
  陰     天保七季丙申花節建之
        □の香のつきたり・風まつのかせ 無滿
 
          @ 天保七年(一八三六)九月
          A 藍沢無満社中建立
          B 藍沢無満筆
          C 勢多郡北橘村下箱田 滝                 木曾三社神社
 
F 10086
春 な れ や 名 も な き 山 の 朝 霞  芭蕉翁
  陰     冬木立空さへ春をまつものを 羅明
 
          @ 慶応四年(一八六八)四月十八日
          A 根井行雄らの建立
          C 勢多郡北橘村下箱田 滝                 木曾三社神社
 
F 10087
猶 見 た し 華 に 明 行 く 神 の 顏  芭蕉翁
 
          @ 明治二十年(一八八七)
          A 楯忠雄 楯忠直建立
          B 根井行雄筆
          C 勢多郡北橘村上南室                  赤城神社鳥居脇
 
F 10088
赤 々 と 日 は つ れ な く も 秋 の 風
 
          @ 万延元年(一八六〇)
          C 勢多郡赤城村長井小川田                     今宮
 
                               
F 10089
春 な れ や 名 も な き 山 の 朝 霞
 
          C 勢多郡赤城村長井小川田                     今宮
 
F 10090
☆消滅
結 ふ よ り は や 齒 に ひ ゝ く 清 水 哉
 
          C 勢多郡赤城村長井小川田                    高秀寺
 
F 10091
☆紛失
名 月 や 池 を め く り て 夜 も す か ら
 
          C 勢多郡赤城村長井小川田                  南雲八幡宮
 
F 10092
☆消滅
春 な れ や 名 も な き 山 の 朝 霞
 
          A 赤城村の燕史 流水らの建立と伝えられる
          C 勢多郡赤城村津久田                    下木堂境内
 
F 10093
松 杉 を ほ め て や 風 の か を る 音
 
          C 勢多郡赤城村津久田                       路上
 
F 10094
☆燈籠
明 月 や 兒 た ち 並 ふ 堂 の 椽
 
          C 勢多郡赤城村津久田                    青木茂氏宅
 
F 10095
冬 こ も り ま た 寄 そ は む 此 は し ら
 
          @ 安政二年(一八五五)
          B 藍沢無満筆
          C 勢多郡赤城村津久田                    青木茂氏宅
 
F 10096
原 中 や も の に も つ か す 啼 雲 雀
 
          @ 安永九年(一七八〇)
          A 堤幾右衛門素菊建立
          C 勢多郡赤城村棚下上の原                    畑の中
 
F 10097
☆流失
ほ と ゝ き す 啼 く や 五 尺 の あ や め 草
 
          C 勢多郡赤城村深山                     金山八幡宮
          D 昭和二十四年九月一日のキテイ台風の洪水により流失
 
F 10098
松 杉 を ほ め て や 風 の か を る 音  芭蕉翁
 
          @ 明治二十一年(一八八八)
          A 穀且建立
          C 勢多郡赤城村持柏木                     赤城神社
 
K 10099
☆猿田彦命
猿   田   彦   命
  陰上部   松杉をほめてや風のかをる音   はせを
  陰下部   さむくなるむかふはしらす飛いなこ 無滿
 
          @ 幕末=慶応三年(一八六七)推定
          A 無満門人桃崖建立
          C 勢多郡赤城村敷島                   高橋テイ氏宅裏
 
F 10100
掬 ふ よ り は や 齒 に ひ ゝ く 清 水 哉  芭蕉翁
 
          @ 明治二年六月(一八六九)
          A 角田士云建立
          B 藍沢無満筆
          C 勢多郡赤城村勝保沢字湧玉                 湧玉湧水池
 
F 10101
山 路 來 て 何 や ら 床 し す み れ 草
 
          @ 寛政四年(一七九二)三月
          A 地元の素夕 虎輪 戌輪らの建立
          B 三日月素輪筆
          C 勢多郡富士見村小暮   小暮郵便局前大鳥居(大洞赤城神社の一の鳥居)
 
F 10102
文 月 や 六 日 も 常 の 夜 に は 似 す
 
          @ 天明元年(一七八一)
          B 喝祖坊素輪筆
          C 勢多郡富士見村時沢字前山                 公民館の脇
 
 
 
                              
F 10103
山 里 は 萬 歳 お そ し 梅 の 花
 
          A 赤城村津久田の月笛建立
          C 勢多郡富士見村石井                    下田満氏宅
          D 月笛が自宅に建立 その後下田氏に売られた
 
F 10104
雲 折 々 人 を や す む る 月 見 哉
  陰     萬延祀元庚申歳/逸淵拜書東宮草壽建之
 
          @ 万延元年(一八六〇)
          A 東宮草壽建立
          B 逸淵筆
          C 勢多郡宮城村苗ヶ島二一七               東宮欽一氏宅前
          D 逸淵=児玉氏 可布庵・瓢隱居・椿老 高崎の人のち江戸に移住 晩年は本
            庄に隠退 文久元年(一八六一)七月二十日没七十二歳
 
F 10105
道 は た の 木 槿 は 馬 に く は れ け り
 
          @ 慶応二年九月(一八六六)
          A 宜風亭巣鳳建立
          C 勢多郡新里村新川元宿                     安養寺
 
F 10106
山 路 來 て 何 や ら ゆ か し 菫 く さ
 
          @ 文久二年(一八六二)
          A 地元の乙瓢の建立したものを近年修復
          C 勢多郡黒保根村水沼                    赤城登山道
 
F 10107
鶯 や 柳 の う し ろ 藪 の 前
 
          A 地元の深沢清三郎乙美建立
          C 勢多郡黒保根村宿                      諏訪神社
 
F 10108
枯 枝 に 烏 の と ま り け り 秋 の 暮
 
          C 勢多郡黒保根村宿廻梨木温泉                 梨木館前
 
F 10109
此 あ た り 目 に 見 ゆ る も の 皆 凉 し  芭蕉翁
  陰     もの言ひのたかし瀬端の夕凉み  義白
        すゝみ過きたと川原上れは月夜哉 似鳩
        川風やうしろさまなる夕凉み   京闌更
  左     寛政丙辰季夏建之
 
          @ 寛政八年(一七九六)六月
          A 住職加辺義白建立
          C 勢多郡東村荻原字宮原               天台宗医王山善雄寺
          D 闌更=高桑氏 諱は正保 初号蘭皐 宝暦二年(一七五二)以後蘭(闌)更
            号李桃亭・二夜庵・半化房 加賀金沢の商家に生まれ 俳諧を希因に学び
            家職を捨て俳諧で立つ 天明以降京都に移り 洛東高台寺のほとりに芭蕉堂
            を営む 寛政五年二条家から花の本宗匠の号を許される 寛政十年(一七九
            八)五月三日没七十三歳 門下から梅室・蒼糺・何丸らが輩出
 
J 10110
春 の 心 蝶 ほ と 輕 き 物 は な し         □來
松 明 の は ね て 空 み る し く れ か な     烏明
八 九 間 芝 を 見 上 る し み つ か な       左明
山 吹 や 水 に 流 れ て め と の 影         乙由
あ か ・ ・ と 日 は つ れ な く も 秋 の 風  芭蕉翁
こ か ら し の 一 日 次 て 居 り に け り     凉菟
と の 神 に 通 夜 し 申 む 子 規           柳居
鹿 の 聲 あ る 夜 は 川 を 越 て 來 る       鳥醉
大 晦 日 日 の 入 山 を 望 め け り        二世鳥醉
 
          @ 天保年間=天保十四年(一八四三)
          A 社家町俳人連建立
          C 群馬郡榛名町榛名山               榛名神社裏旧番所跡脇
          D 烏明=前出P.0015 左明=江戸の人 柳居に学び 南菊ついで輕・と号した
            のち鳥酔に師事 武家の出であるが致仕して 南総黒戸の浜に住む のち再
            び出府して鳥醉の執筆を勤めた 宝暦六年鳥酔に松露庵を譲られ 二世とな
            る 宝暦六年(一七五六)八月十三日没五十歳 乙由=中川氏 号麦林舎
            伊勢川崎の生まれ 材木商のち御師となり 慶徳図書と称した 元禄三年
            (一六九〇)春 芭蕉の伊勢来遊に際して入門(十五歳) のち凉菟に師事
            凉菟没後伊勢俳壇の中心となり 元文四年(一七三九)八月十八日没六十五
            歳 伊勢派また麦林派と言われた 凉菟=岩田氏 名は正致 通称権七郎
            初め団友 のちに団友斎を別号とし また神風館三世を継いだ 享保二年
            (一七一七)四月二十八日没五十九歳 伊勢山田の神職(一説に神楽男であっ
            たという)芭蕉に入門したのは芭蕉の晩年と推定される 
 
F 10111
山 里 は 萬 歳 お そ し 梅 の 花
  陰     寛政四壬子
 
          @ 寛政四年(一七九二)
          A 一宮如鶴建立
          B 平花庵雨什筆
          C 群馬郡榛名町山里                      黒門橋下
 
 
F 10112
原 中 や も の に も つ か す 鳴 雲 雀  芭蕉
 
          @ 弘化四年(一八四七)
          A 地元の柳下 梅下建立
          C 群馬郡榛名町中里見                     浅間神社
 
F 10113
☆消滅
三 尺 の 山 も 嵐 の 木 の 葉 か な
 
          C 群馬郡榛名町下室田                     大森神社
 
F 10114
百 年 の け し き を 庭 に 落 葉 哉
  左     文化四丁卯十月十二日
  右     平花庵雨什社
 
          @ 文化四年(一八〇七)十月十二日
          A 高崎平花庵雨什建立
          B 平花庵雨什筆
          C 群馬郡榛名町下室田字高権                  大森神社
 
F 10115
觀 音 の い ら か 見 や り つ 花 の 雲
 
          @ 文化四年(一八〇七)
          A 旭石 龍秀らの建立 江戸松露庵系の行脚俳人五逸坊の後見
          C 群馬郡倉淵村水沼中郷            真言宗豊山派流水山蓮華院
          D 消滅したと思われていたが 最近断碑を発見
 
F 10116
し は ら く は 花 の 上 な る 月 夜 哉
 
          @ 安政四年(一八五七)
          A 関藤兵衛風光庵建立
          C 群馬郡倉淵村水沼大谷戸                  関梅雄氏宅
          D 関藤兵衛風光庵が立志 はじめ村の三嶋社に寄進の心願で彫らせたが お流
            れになり自宅に建立
 
F 10117
☆存疑
裾 山 や 虹 は く あ と の 夕 つ ゝ し
 
          @ 万延元年(一八六〇)二月
          B 江戸の大江舎貫平筆
          C 群馬郡倉淵村三ノ倉                    愛宕神社前
 
 
                  
F 10118
此 の あ た り 眼 に み ゆ る も の 皆 凉 し
 
          C 群馬郡倉淵村三ノ倉椿山                  戸榛名神社
 
F 10119
☆行方不明
初 時 雨 猿 も 小 蓑 を ほ し け な り
 
          C 群馬郡倉淵村三ノ倉                   新井芳広氏宅
 
F 10120
古 池 や 蛙 飛 込 む 水 の 音
 
          C 群馬郡倉淵村三ノ倉                曹洞宗三倉山全透院
          D 碑の上部三分の一欠落
 
F 10121
道 は た の 槿 は 馬 に く は れ け り
 
          @ 天保十三年(一八四二)十月十二日百五十回忌
          A 素平建立
          C 群馬郡倉淵村岩氷字上                   塚越家墓地
 
F 10122
夏 草 や 兵 と も か 夢 の 跡
 
          C 群馬郡箕郷町西明屋城山           箕輪城本丸跡御前曲輪公園
 
C 10123
春もやゝけしきとゝのふ月と梅
芭   蕉   翁
  左     寛政五癸丑四月八日
  右     わかこゝろ漂として/その日・・をしむも/よそにむめの宿/一の日庵岱路建之
 
          @ 寛政五年(一七九三)四月八日
          A 一の日庵金井岱路建立
          C 群馬郡群馬町引間字花園              曹洞宗三鈷山妙見寺
 
F 10124
名 月 や 池 を め く り て 夜 も す か ら  芭蕉
  陰     棟高菅谷俳諧連中/樋口大椿七十九才
  左     慶應三年卯四月
 
          @ 慶応三年(一八六七)四月
          A 棟高菅谷俳諧連中建立
          B 七十九歳翁樋口大椿筆
          C 群馬郡群馬町菅谷一二七五                 瀧の宮神社
                               10‐21‐0106
          D 昭和十九年四月群馬町菅谷字瀧社が陸軍飛行場となり 神社とともに移転
 
C 10125
芭   蕉   靈   神
馬をさへ詠むる雪のあしたかな
 
          A 地元の錦秋 可交ら玉岡社中建立
          C 北群馬郡子持村上白井                    玉山神社
 
F 10126
雲 折 々 人 を 休 む る 月 見 か な
 
          @ 安政六年(一八五九)
          B 八十五老樵藍沢無満筆
          C 北群馬郡子持村上白井南谷                   蔵王堂
 
C 10127
木の下に汁も鱠も櫻かな
  陰     よるとしや花見る眼にも涙うく 幻亞
 
          @ 元治二年(一八六五)五月
          A 小淵幻亞建立
          C 北群馬郡子持村長坂              国道十七号線長坂バス停
 
F 10128
し は ら く は 花 の 上 な る 月 夜 か な  はせを
 
          @ 文化十三年(一八一六)
          A 蒼々庵南交建立
          C 北群馬郡子持村上白井                    御前神社
 
F 10129
☆消滅
や か て 死 ぬ け し き は 見 え す 蝉 の 聲
 
          A 小淵琴岱建立
          C 北群馬郡子持村上白井                      路上
 
F 10130
☆消滅
月 見 す る 座 に う つ く し き 顏 も な し
 
          C 北群馬郡子持村北牧                       路上
 
F 10131
は つ し く れ 猿 も 小 蓑 を ほ し け な り  芭蕉
  左     安永七年初冬
                               10‐22‐0107
  右     てれはふし張りふとるゝやしくれ傘 白兎園宗瑞
        のつさりと月のみている時雨かな  白眼台雪才
 
          @ 安永七年(一七七八)十月
          A 江戸の宗匠白眼台雪才建立
          C 北群馬郡伊香保町伊香保香湯                伊香保神社
          D 宗瑞=中川氏 通称三郎兵衛 号白兎園 江戸の人 杉風門 延享元年(一
            七四四)七月三十日没六十歳 その号は水戸黄門から賜る
 
F 10132
草 臥 て 宿 か る 頃 や 藤 の 花
 
          @ 安永元年(一七七二)
          A 子武ら地元俳連の建立
          C 北群馬郡伊香保町伊香保               グランドホテル前
 
F 10133
鐘 つ か ぬ 里 は 何 を か 春 の 暮
 
          C 北群馬郡吉岡村大久保下町                天台宗大泉寺
 
F 10134
傘 に お く わ け 見 た る 柳 か な  翁
 
          @ 天保年間=天保十四年(一八四三)
          A 地元の湛水 白水らの建立
          C 多野郡新町六区八坂町                 第六区公民館前
          D はじめ八坂神社の向い側にあった
 
F 10135
む す ふ よ り 早 齒 に ひ ゝ く 泉 か な  はせを
 
          @ 安政二年(一八五五)六月
          A 北口の久保一静らの建立
          C 多野郡新町一区          旧中山道温井川南詰弁天島(鐘紡横)
 
F 10136
☆紛失
松 風 の 落 葉 か 水 の 音 す ゝ し
 
          A 地元の俳人飯岱建立
          C 多野郡鬼石町浄法寺                 町立病院松風荘前
 
F 10137
☆存疑
裾 山 や 虹 は く 跡 の 夕 つ ゝ し
 
          @ 天保十二年(一八四一)
          A 地元の飯塚佳一 小柏竹新らの建立
                               10‐23‐0108
          C 多野郡鬼石町三波川                   御荷鉾不動尊
 
F 10138
清 多 藝 也 難 三 爾 塵 那 幾 夏 能 月
 
          @ 享和三年(一八〇三)春
          C 多野郡吉井町多比良字中城                天台宗普賢寺
          D 読み=きよたきやなみにちりなきなつのつき
 
F 10139
閑 さ や 岩 に し み 入 蝉 の 聲  芭蕉
 
          @ 明和九年(一七七二)
          A 闌更来遊を期し地元俳人らの建立
          B 洛闌更筆
          C 甘楽郡南牧村砥沢笹原                 蝉の橋断崖の上
          D 闌更=P.0103
 
F 10140
(篆額)芭蕉翁詠
涅 槃 會 や 皺 手 合 す る 珠 數 の 音
    元祿十五壬午十月十二日
  下部横書  妙高山人謹建
 
          A 妙高山人建立
          C 甘楽郡下仁田町東野牧四三二            天台宗妙高山永寿寺
          D この碑は 『群馬の文学碑』 昭和54年10月20日上毛新聞社刊によって紹介
            され 県内最古などと喧伝されている この「元祿十五壬午十月十二日」と
            いうのは 一見建立紀年銘に見えるが この時期には句碑は建立されず 供
            養のための翁塚ばかりが建立されていた また 現在まで人に知られなかっ
            たことが不思議である 富岡市一の宮太子堂塚古墳の芭蕉塚の隣の雲裡坊の
            句碑の碑陰に芭蕉塚建立の後見をした雲裡坊顕彰の撰文は享保三年(一七一
            八)下仁田生れの学者高橋道斎である  『多胡碑』を世に出した人でもあ
            る 高橋道斎の存在を忘れてはならない 彼の地元に存在したこの碑が彼に
            気付かれなかったことは 彼の死後に建立されたことを示唆している 従っ
            てこの碑の建立紀年は不明である
 
F 10141
旅 人 と わ か 名 呼 れ む 初 時 雨
 
          @ 昭和三十五年(一九六〇)十月
          A 周辺町村の俳人ら三十名位で建立
          B 八十八歳翁楽水筆
          C 甘楽郡甘楽町小幡                       忠霊塔
 
F 10142
ひ と つ 脱 て う し ろ に お ひ ぬ 衣 か へ  芭蕉翁
 
  
          @ 寛政二年(一七九〇)秋
          A 竹睡庵連中建立
          B 初代春秋庵白雄筆
          C 碓氷郡松井田町坂本上宿                  八幡宮参道
          D 白雄=加舎氏 名は吉春 通称五郎吉 号咋鳥・しら尾・白尾坊・露柱庵・
            鴫立庵・春秋庵 信濃上田藩士加舎六郎左衛門吉享の次男で江戸深川の出生
            宝暦末年舎來と号して 青峨門 明和二年(一七六五)三月烏明に入門 咋
            鳥と号し のち烏明の師鳥酔の直門となった 寛政三年(一七九一)九月十
            三日没五十四歳(一説に五十七歳) はじめ碓氷峠刎石山頂四軒茶屋にあっ
            たものを明治初年現在地へ
 
F 10143
傘 に お し 分 見 た る 柳 か な
 
          @ 明治三十六年(一九〇三)
          B 地元田中緑園筆
          C 吾妻郡中之条町                        英霊殿
 
F 10144
名 月 や 池 を め く り て 夜 も す か ら
 
          C 吾妻郡東村五町田                       西教院
 
F 10145
う く ひ す や 柳 の う し ろ 藪 の 前
 
          @ 安政年間=安政六年(一八五九)推定
          B 逸淵筆
          C 吾妻郡吾妻町原町                 真言宗御室派顕徳寺
          D 逸淵=前出P.0102
 
F 10146
咲 み た す 桃 の 中 よ り 初 櫻
  陰     古祠貴松や若緑    六十三歳 文友
        幾・や匂ふ古木や花の宿  芳水
        花色は昔も今も同しこと  松桑
        我かけも花負ひて行月夜哉 友斎
 
          @ 明治年間=明治四十四年(一九一一)
          A 文友 芳水 松桑 友斎建立
          C 吾妻郡吾妻町三島大沢                   金井茂氏宅
 
F 10147
松 風 の 落 葉 か 水 の 音 凉 し
  陰     凉さや海へ影さす不二の山 中樂
        紫陽花や見る度替る花の色 玉露
        凉しさや流て風に水の音  久山
 
                               10‐25‐0110
          @ 万延元年(一八六〇)九月
          C 吾妻郡吾妻町三島細谷                    集会所庭
 
F 10148
も の い へ は 唇 寒 し 秋 の 風
  陰     昭和三年十一月十日御大典記念/震柳舎綾絲洗手書若竹吟會一同
 
          @ 昭和三年(一九二八)十一月十日御大典記念
          A 若竹吟会建立
          B 石村一二号綾絲筆
          C 吾妻郡吾妻町三島生原                  見沢鉄塔の下
 
F 10149
梅 か 香 に の つ と 日 の 出 る 山 路 哉
 
          @ 明治三十三年(一九〇〇)六月
          A 加部帰舟発起
          B 河辺梅白筆
          C 吾妻郡吾妻町大柏木                    殿原一本杉
 
F 10150
し は ら く は 花 の 上 な る 月 夜 か な
 
          @ 昭和十三年(一九三八)
          A 地元俳人連中建立
          B 遠州大蕪庵十湖(大正五年没)筆
          C 吾妻郡吾妻町川戸上の宮                  上之宮神社
 
F 10151
年 々 や 櫻 を 肥 や す 花 の 塵
  陰     山深み氣まゝに櫻古ひたり   指鳳
        芝生さへ玉しくやうそ花の陰  春潮
        御佛の箔下にあるや散るさくら 琴和
        花に明花に尊や峯の庵     嬬川
        山住の山里はれたるさくら哉  梅呈
        春もやゝ花に彌生の曇から   夜光
        ふつゝかな經や櫻のはいり口  北雄
        花の山□法よしみけり     遠沙
 
          @ 文化七年(一八一〇)七月
          A 地元俳人連中建立
          B 江戸其堂筆
          C 吾妻郡吾妻町植栗             観音堂の前(福原モーター)
 
F 10152
月 花 の 愚 に 針 た て ん 寒 の 入
 
          @ 天保十四年(一八四三)
          A 太暁 鶴聲 里仙建立 
                               10‐26‐0111
          B 田川鳳朗筆
          C 吾妻郡吾妻町厚田                   小泉延次郎氏宅
          D 鳳朗
 
C 10153
花   本   大   明   神
ものいへは唇寒しあきの風/花本宗匠鳳朗書
 
          @ 嘉永元年(一八四八)
          A 雲泉亭東雲建立
          B 田川鳳朗筆
          C 吾妻郡吾妻町厚田                     小泉家墓地
          D 鳳朗
 
F 10154
棧 や 命 を か ら む 蔦 か つ ら
  陰     ふくこしや生し來とも菊の上 文谷
        惠み得し時や月雪花の春   空螢
 
          @ 大正年間=大正十四年(一九二五)
          A 発起中島平八 文谷 空螢建立
          C 吾妻郡吾妻町岩下                      常盤公園
 
F 10155
山 路 來 て 何 や ら 床 し 菫 草
 
          @ 寛政四年(一七九二)三月
          A 地元俳人社中建立
          B 平花庵雨什筆
          C 吾妻郡長野原町川原湯                 川原湯郵便局前
 
F 10156
雲 雀 な く 中 の 拍 子 や 雉 子 の 聲  はせを翁
 
          @ 嘉永六年(一八五三)十月
          C 吾妻郡嬬恋村大笹塩ノ島                   大笹神社
 
F 10157
草 い ろ ・ ・ お の ・ ・ 花 の 手 柄 か な
 
          @ 安政年間=安政六年(一八五九)
          C 吾妻郡草津町草津二六七                  林憲忠氏宅
 
F 10158
☆焼失
赤 々 と 日 は つ れ な く も 秋 の 風
 
          @ 寛政七年(一七九五)六月
          A 鷺白建立
          C 吾妻郡草津町草津温泉                 草津ホテル前庭
 
F 10159
夏 の 夜 や 谺 に 明 く る 下 駄 の 音  はせを
 
          @ 天保十三年(一八四二)十月十二日
          A 地元坂上治右衛門一夏庵竹烟建立
          B 田川鳳朗筆
          C 吾妻郡草津町草津温泉仲町                  白根神社
          D 鳳朗
 
F 10160
山 中 や 菊 は 手 折 ら ぬ 湯 の 匂 ひ  芭蕉
 
          @ 明和末年=明和八年(一七七一)
          A 是非庵建立
          C 吾妻郡草津町草津温泉            真言宗豊山派草津山光泉寺
 
F 10161
原 中 や も の に も つ か す 鳴 く 雲 雀
 
          C 吾妻郡草津町草津四〇七                   布施医院
 
F 10162
原 中 や 物 に も つ か す 鳴 雲 雀
 
          C 吾妻郡六合村小雨                    沼尾毘沙門堂
 
F 10163
蝶 の 飛 ふ は か り 野 中 の 日 影 哉
 
          @ 明治二十六年(一八九三)
          A 橋爪源三郎琴雅建立
          B 富沢峩琴筆
          C 吾妻郡六合村日影                        路上
 
F 10164
古 池 や 蛙 飛 込 む 水 の 音
 
          @ 文政十年(一八二七)
          C 吾妻郡高山村尻高石古根                 深代たね氏宅
 
F 10165
☆存疑
一 夜 寢 て 寒 さ く ら へ む 草 の 庵
 
          @ 文久二年(一八六二)
          A 鶴淵柳祖社中建立
                               10‐28‐0113
          B 八十九歳翁藍沢無満筆
          C 利根郡白沢村尾合                    鶴渕蛍光氏宅
 
F 10166
☆誤伝
山 さ と の 月 日 は 長 し 菊 の 花
 
          @ 弘化四年(一八四七)推定
          B 仁井田碓嶺筆
          C 利根郡白沢村岩室                      鎮守の森
          D 碓嶺=前出P.0088
 
F 10167
棧 や い の ち を か ら む 蔦 か つ ら
 
          C 利根郡利根村高戸谷                    片貝口断崖
 
F 10168
☆消滅
し は ら く は 花 の 上 な る 月 夜 哉
 
          C 利根郡利根村輪組                        路上
 
F 10169
夏 來 て も 只 一 葉 の ひ と つ 哉
 
          B 行脚俳人鶯斎筆
          C 利根郡利根村追貝                    利根村役場前
 
F 10170
凉 し さ や 直 に 野 松 の 枝 の 形
 
          @ 幕末=慶応三年(一八六七)
          A 南広 一田らの建立
          C 利根郡片品村東小川中井                  千明康氏宅
 
F 10171
山 中 や 菊 は 手 折 ら ぬ 湯 の 匂 ひ
 
          C 利根郡片品村東小川                     白根温泉
 
F 10172
此 あ た り 眼 に 見 ゆ る も の 皆 凉 し
 
          C 利根郡片品村土出                        路上
 
 
 
                               10‐29‐0114
F 10173
蕎 麥 は ま た 花 て も て な す 山 路 哉  芭蕉
 
          @ 文化九年(一八一二)
          A 沼田東入連中建立 江戸文来庵二世吐・後見
          C 利根郡片品村土出新井                多聞庵跡公会堂裏
 
F 10174
花 に う き 世 我 飯 黒 く 酒 白 し
 
          @ 明治十八年(一八八五)
          A 文旋 狸斐建立
          C 利根郡片品村鎌田                    入沢文三氏宅
 
F 10175
山 中 や 菊 は 手 折 ら ぬ 温 泉 の 匂 ひ
 
          @ 慶応三年(一八六七)
          A 一田 雪童建立
          C 利根郡片品村菅沼                   丸沼温泉ホテル
 
F 10176
山 里 は 萬 歳 お そ し 梅 の 花
 
          @ 文久元年(一八六一)三月
          C 利根郡川場村谷地字寺前                    桂昌寺
 
F 10177
咲 み た す 桃 の 中 よ り 初 櫻
 
          @ 文久元年(一八六一)
          A 玉所 一峩らの建立
          B 秋塚の椿岱筆
          C 利根郡川場村生品                    井戸岐地蔵堂
 
F 10178
川 か み と こ の か は し も や 月 の 友
 
          B 猿ヶ京関守七十二歳翁片野文志筆
          C 利根郡月夜野町月夜野                     千日堂
          D もと月夜野の利根川渡場にあったもの
 
F 10179
☆存疑
栴 檀 も 一 鋤 つ ゝ の 田 打 か な
 
          @ 慶応三年(一八六七)夏
          A 内海蓬堂社中建立
          B 内海蓬堂筆
                               10‐30‐0115
          C 利根郡月夜野町下津                    内海家墓地
 
F 10180
道 は た の 木 槿 は 馬 に 食 は れ け り  はせを
 
          @ 天保元年(一八三〇)
          C 利根郡月夜野町下牧字諏訪原                   路上
 
F 10181
旅 人 と わ か 名 呼 れ ん 初 時 雨  はせを
 
          @ 嘉永六年(一八五三)一月
          A 早風 芳春 如泉建立
          B 惺庵西馬筆
          C 利根郡新治村布施上原                  新治村役場庭
          D 上部が欠けて「旅人」の二字なし 西馬=前出P.0020
 
F 10182
☆消滅
名 月 に 麓 の 霧 や 田 の く も り
 
          @ 文久三年(一八六三)以前
          C 利根郡新治村布施                    月桂山布施房
          D 修験道だったので明治維新後の神仏分離で破壊されたものか
 
F 10183
旅 人 と わ か 名 呼 は れ ん 初 時 雨
 
          @ 文久三年(一八六三)
          A 久呂保山人建立
          C 利根郡昭和村森下                     沢浦悟氏宅
 
F 10184
物 い へ は 唇 寒 し 秋 の 風
 
          @ 文政十二年(一八二九)推定
          A 鵞友建立
          B 藍沢乙満後の無満筆
          C 利根郡昭和村森下                     沢浦悟氏宅
 
F 10185
☆消滅
春 た ち て ま た 九 日 の 野 山 哉
 
          @ 文久三年(一八六三)以前
          A 由芸建立
          C 利根郡昭和村森下                      大森神社
 
 
                               
F 10186
☆消滅
古 池 や 蛙 飛 込 む 水 の 音
 
          C 利根郡昭和村糸井                       天王宮
 
F 10187
☆消滅
山 里 は 萬 歳 お そ し 梅 の 花
 
          @ 文久三年(一八六三)
          A 三渓建立
          C 利根郡昭和村橡久保                    三ツ谷天神
 
F 10188
松 風 や 軒 を め く り て 秋 く れ ぬ
 
          A 田部井家の祖小篠庵・詠建立
          C 佐波郡赤堀村五目牛                 田部井寛一郎氏宅
 
F 10189
山 里 は 萬 歳 お そ し 梅 の 花
 
          A 渡辺市左衛門清香舎・山建立
          B 日輪寺桑古筆
          C 佐波郡赤堀村市場                    渡辺孝雄氏宅
 
F 10190
鶯 や 柳 の う し ろ 藪 の 前
 
          @ 天保十四年(一八四三)
          A 萩原詠帰建立
          C 佐波郡東村小俣方字下                東小俣方郵便局前
 
F 10191
は る も や ゝ 氣 し き と ゝ の ふ つ き と う め
 
          @ 明治十六年(一八八三)
          A 医師子岡孝学の子弟らの建立
          B 子岡孝学其然筆
          C 佐波郡東村国定字天神前                   赤城神社
          D はじめ孝学の門前に建立したが 後に現在地に移す
 
F 10192
☆未建立
咲 み た す 桃 の 中 よ り 初 櫻
 
          @ 未建立 碑材現存
          C 佐波郡境町                      織間伸六氏所蔵
          D 織間茂吉英繁はこの句から自ら桃中と号した 桃中没後養子英通が養父の遺
            志をついで 嘉永二年(一八四九)諏訪神社に建立しようとして 石材その
            他すべてを準備したが 建碑にいたらなかった
 
F 10193
春 も や ゝ け し き 調 ふ 月 と 梅
 
          @ 天保十二年(一八四一)三月
          A 其日庵有物社中建立
          B 仁井田碓嶺筆
          C 佐波郡境町境四九五                天台宗小柴山長光寺
          D 碓嶺=前出P.0088
 
F 10194
☆誤伝
か は ほ り も 出 よ 浮 世 の 花 の 鳥
 
          @ 明治十三年(一八八〇)三月
          B 七十三歳翁羽鳥半海筆
          C 佐波郡境町下道寺                      公会堂裏
          D かはほり=こうもり もと村道沿いの神社境内にあったもの
 
F 10195
な き 人 の 記 念 も い ま や 土 用 干
 
          @ 明治三十六年(一九〇三)
          A 小泉茂質桃樹園華友建立
          B 二世楊洲庵半湖筆
          C 佐波郡境町上武士                  新義真言宗能満寺
 
F 10196
降 す と も 竹 う ゆ る 日 は み の と 笠  はせを
                        抱一書
  陰     文政八年乙酉十月上浣/華竹庵萬戸立/石工高橋庸治
 
          @ 文政八年(一八二五)十月上旬
          A 金井華竹庵萬戸建立
          B 酒井抱一筆
          C 佐波郡境町島村二四三九                 金井有文氏宅
          D 酒井抱一=幼名善次 本名忠因 のちに栄八 雅号初め濤花・白鳧子 天明
            ごろ杜陵・屠龍また雨華庵・鶯邨・庭柏子とも称した 宝暦十一年(一七六
            一)七月一日姫路藩主酒井忠仰の次男として江戸雅樂頭別邸に出生 俳諧は
            江戸座の馬場存義一世に入門 存義没後 その高弟晩得に師事 三十七歳の
            寛政九年(一七九七)十月十八日西本願寺文如上人により得度 等覚院文詮
            暉真の名を得て 権大僧都に任ぜられた 翌十年浅草裏に千束庵を結び 隠
            者生活に入った 抱一の号はこの頃からか 文政十一年(一八二八)十一月
            二十九日没六十八歳 絵画は狩野高信に手ほどきをうけ 歌川豊春に浮世絵
            を学んだ
 
F 10197
時 鳥 招 や 麥 の む ら を 花  翁
 
          A 女塚の俳人山行らの建立 義仲寺無名庵第七世重厚後見
          B 義仲寺無名庵第七世重厚筆
          C 佐波郡境町大字東                      稲荷神社
          D 重厚=井上氏 また菅原氏 号落柿舎・椿杖斎 去来の外戚に当たる 京都
            の僧 蝶夢門 明和七年(一七七〇)に洛西嵯峨弘源寺跡に落柿舎を再興し
            落柿舎重厚と称し 寛政四年(一七九二)義仲寺に入り無名庵七世となる
            翌五年蝶夢の援助で芭蕉百回忌(奉扇会・時雨会)を営む 寛政十年失明
            文化元年(一八〇四)一月十八日没六十七歳
 
F 10198
ほ う ら い に 聞 は や 伊 勢 の 初 た よ り
 
          @ 明治二十五年(一八九二)一月十二日
          A 芭蕉堂八世良大建立
          C 佐波郡境町伊与久                    高井滋吉氏宅
 
F 10199
川 上 と こ の 川 下 や 月 の 友
 
          @ 嘉永年間=嘉永六年(一八五三)
          A 川向うの新町の宗匠一露園湛水こと瀧斎社中の建立
          C 佐波郡玉村町角淵                     角淵八幡宮
 
F 10200
や す ・ ・ と 出 て い さ よ ふ 月 と 雲  芭蕉
 
          @ 文化二年(一八〇五)八月
          A 地元の竹内氏一桂庵勇水建立
          C 佐波郡玉村町下新田                    玉村八幡宮
 
F 10201
梅 か 香 に の つ と 日 の 出 る 山 路 か な
          @ 昭和九年(一九三四)
          C 佐波郡玉村町下新田                    玉村八幡宮
 
F 10202
こ の 松 の 實 生 せ し 世 や 神 の 秋
 
          C 佐波郡玉村町下新田                    玉村八幡宮
 
F 10203
四 方 よ り 花 吹 入 れ て 鳰 の 波
  陰     夜の雨晴るゝ匂や花の雲 市月
        龜もいる壽岸の翁草   市月
 
          @ 明治十二年(一八七九)
          A 新島家の祖徳翁が八十歳の時建立
          B 新島家所蔵の真蹟を模刻
          C 新田郡尾島町堀口                     新島則氏宅
          D 市月=市川氏 埼玉の俳人
 
F 10204
名 月 や 池 を め く り て 終 夜
  陰     天保二年隱士菊池兎月
 
          @ 天保二年(一八三一)
          A 菊池兎月建立
          B 新田道純筆
          C 新田郡尾島町世良田                   毛呂魂雄氏宅
 
F 10205
し は ら く は 花 の 色 な る 月 夜 か な  はせを翁
  陰     文政九年丙戌彌生
 
          @ 文政九年(一八二六)三月
          A 兎月 夕詠らの建立
          B 春秋庵三世仁井田碓嶺筆
          C 新田郡尾島町世良田                     八坂神社
          D 碓嶺=前出P.0088
 
F 10206
起 よ ・ ・ 我 友 に せ ん ぬ る 胡 蝶
 
          C 新田郡尾島町前小屋                   青木国平氏宅
 
F 10207
☆消滅
白 露 も こ ほ さ ぬ 萩 の う ね り 哉
 
          @ 寛政六年(一七九四)翁百回忌追善
          A 呑嶺山主柳翠 都好らの建立
          C 新田郡尾島町字安養寺                不動堂(触不動)
          D 翁百回忌追善とあるが 不審
            呑嶺山主=隣の真言宗豊山派呑嶺山明王院のこと
 
F 10208
名 月 や 池 を め く り て 夜 も す か ら
 
          C 新田郡笠懸村阿左美        阿左美沼畔(食堂高沢商店の炊事場)
 
F 10209
涅 槃 會 や 皺 手 合 す る 珠 數 の 音
 
          @ 昭和三年(一九二八)
          B 八十二歳翁照云筆
          C 新田郡笠懸村久宮                  天王様(公民館)
 
F 10210
觀 音 の 甍 見 や り つ 花 の 雲  はせを
 
          @ 寛政十年(一七九八)
          A 蕉風会連建立
          C 山田郡大間々町桐原                  天台宗世音時
 
F 10211
松 杉 を ほ め て や 風 の 薫 る 音
 
          @ 明治三十九年(一九〇六)二月十九日
          C 山田郡大間々町塩原                    貴船神社
 
F 10212
山 路 來 て 何 や ら ゆ か し 菫 草
 
C 山田郡大間々町塩原                      路上
 
F 10213
此 の 山 の か な し さ 告 よ 野 老 堀
 
          C 山田郡大間々町                     米山薬師堂
 
F 10214
☆流失
な ほ 見 た し 花 に 明 行 く 神 の 顔
 
          A 泉海 猿似 玉光らの建立
          C 邑楽郡板倉町海老瀬                     遊水池
          D 洪水により流失
 
F 10215
父 母 の し き り に 戀 し 帷 子 の 聲
          @ 明治三十二年(一八九九)
          B 八十四歳翁小町素水筆
          C 邑楽郡明和村矢島遍照寺     樽見ちか氏方地先路上(現集会所脇)
 
F 10216
梅 か 香 に の つ と 日 の 出 る 山 路 か な
          C 邑楽郡明和村                         路上
 
F 10217
子 規 ま ね く か 麥 の む ら 尾 花
          @ 慶応二年(一八六六)
          B 大白堂孤月筆
          C 邑楽郡千代田村                      白山神社
 
F 10218
涼 し さ や ほ の 三 日 月 の 羽 黒 山
加 多 羅 禮 努 湯 登 廼 仁 奴 良 須 當 毛 東 迦 那
雲 の 峰 い く つ く つ れ て 月 の 山
 
          @ 明治三十一年(一八九八)
          A 神道訓導健斎建立
          C 邑楽郡千代田村                      白山神社
          D 健斎が出羽三山巡礼の土産に買った石刷を縮写
 
F 10219
梅 か 香 に の つ と 日 の 出 る 山 路 か な
 
          @ 安政四年(一八五七)十月十二日時雨忌
          A 一竹らの建立
          C 邑楽郡千代田村萱野                    白山神社
 
F 10220
目 に か ゝ る 時 や 殊 更 五 月 富 士
川 上 と こ の 川 下 や 月 の 友
 
          C 邑楽郡大泉町古海                 真言宗高徳寺大門
 
F 10221
花 の 影 謠 に 似 た る 旅 寢 か な
 
          C 邑楽郡大泉町古海                   真言宗高徳寺